ai_math_runningのブログ

最近はAI関係の記事が多い予定です。一応G検定持ってる程度の知識はあります。

厚底シューズのもう一つの効用(ランニング理論入門)

厚底シューズがなぜ、速く走れるようになるのか、については、これまでいくつか書いてきました。

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簡単にまとめると、厚底シューズはランニングのパワーポジションでの重心位置と接地位置を矯正する事でランニングフォームを効率的なものに変えていく、という働きがある、という事でした。
ただ、厚底シューズには、もう一つ、ランニングフォームの観点で大きな利点があります。

厚底シューズが本当に「助力」するものとは

上記原稿で、「(厚底シューズの)助力なんてごくごくわずかなもの」だと書きました。曰く、体重何十キロもある人間の身体が、靴底にある小さなバネでの助力なんて誤差範囲のものにすぎない、と。
でも、身体全体だと、バネの力での助力はごくわずかなものになってしまいますが、もっと小さい部分に対してなら、靴底のバネ程度でもある程度の助力になってくれるんです。
それは、「足」の部分。足首から先、靴で覆われた部分、それは重さという点ではわずかになるので、靴底のバネ程度でもかなり上に跳ね飛ばしてくれると思います。
その時の動きは、ちょうど「引き付け」になります。しかも、シザーズで説明した「引き付けとシザーズをワンモーションで行う動き」になってくれています。

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つまり、厚底シューズは、バネを効かせるためにパワーポジションでの接地位置を矯正してくれると同時に、ランニングにおいての重要な動きである、引き付けとシザーズを助けてくれているのです。

ラソンの後半に足が残る現象とは

厚底シューズでは、良く、後半に足が残ってくれるという感想があります。それは厚底のバネがクッションとなって足を守ってくれる、とか、フォーム矯正の効果で効率良いフォームで走れているから、とか、考えられています。
でも、個人的には、後半になってもバネの助力で足が上がってくれて、引き付けやシザーズがちゃんとできる事の効果が大きいのはないか、と思っています。
というのは、マラソンの後半では、筋疲労や、疲労で筋肉が固くなる事から、引き付けの動きができにくくなってくるんです。特に前腿が固くなる影響は大きく、前腿が固くなると膝が曲がりにくくなって引き付けが小さくなってしまうのです。
それで、引き付けが小さくなると、足を前に送るのが遅れ、シザーズの動きもなくなり、足が遅れる事で前の方で着地する事になってしまってブレーキのかかった走りになってしまいます。
後半に「足が重くなる」という感想があるのですが、それで足が上がらなくなるとフォームが乱れて遅くなってしまうのですが、疲れてきてもフォームを保ち続ける助けとなってくれる訳ですね。それが「後半も足が残る」メカニズムではないかと思います。

という事で、厚底シューズの隠れた効用について書いてみました。
ちなみに、この効果は、スウィートスポットの広い、矯正機能の弱い厚底シューズでも同じ効果がありますので、市民ランナーにもありがたい効果ですよね。